短期間で上手になるのはどんな人?

「才能のある人は、すぐに上達するんでしょうね」

先日、レッスンの終わりにとある生徒さんが、ぽつりとこうおっしゃいました。

実はそれ、学生時代にわたしも思いました。

 

しかし、先生業を始めて10年以上経ってみると、

短期間でうまくなる人には、単純に「才能」という言葉で片付けるのとは違う、

いくつかの共通点があることがわかりました。

 

その一

それが好きである!

当たり前といえば、当たり前なのですが、まず第一のポイントです。

でもちょっと勘違いしやすいのですが、好きというのも、

その行為そのもの(この場合は、ヴァイオリンを弾くということ)が好きなのであって、

それをやっている自分が好き(ヴァイオリンを習っている自分が好き)というのではないということです。

ここの自覚によって「その二」の認識が変わってきます。

 

その二

アドヴァイスを素直に受け入れる!

 

これも当たり前といえば、当たり前のことなのですが、

ヴァイオリンを弾くことが好きで、早くうまくなりたい気持ちが強い方は、

アドヴァイスを一言も漏らさずに聞くので、

注意そのものを次回レッスンに持ち越すことがありません。

 

一方、アドヴァイスに対していろいろな角度から反発していると、

上達に余計な時間がかかってしまいます。

 

「そんなこと言っても、難しいからすぐには無理」

「そこまでやる必要があるの?」

「それで本当にできるようになるの?」

などなど、心にブレーキをかけていたら、進むはずがありません。

 

どの先生にとってもそうだと思うのですが、

生徒さんが上達するのが一番幸せなことなのです。

なので、お伝えするアドヴァイスって生徒さんにとって必要で、

実行するのに無理ではないと思われることなのです。

だから、素直に受け入れたほうが絶対に得で、上達の近道なのです。

 

その三

集中力、注意力が高い!

 

はい、これも当たり前のことなのですが、

レッスン中に何度も同じ注意を受けていると、それでその日のレッスンが終わってしまうので、

進度は遅くなってしまいます。

 

一度言われたことは、一度で理解する!という気構えで、意識を高くして臨む方は、

やはり上達が早いです。

 

その四

先生が褒めた後に、ポロッともらした一言を聞き逃さない!

 

これはその二に近いですが、若干ニュアンスが異なります。

もったいないことに、わたし自身も学生時代に疎かにしがちだったことです。

例えば先生に

「ずいぶん良くなったね!」と褒めていただき、その後にほんっっの付け足しのように

「あと、こうしてみるといいんだよね」とか

「あとこんな練習してみるのもいいんだよね」と

言われ、その付け足しのようなアドヴァイスを聞き流して実行しなかったのです(泣)。

 

この場合、先生も満足して下さった後で、そんなに重要そうに熱を込めておっしゃらなかったりしていたので、

わたしはついつい「良くなった」という先生のお言葉に気を取られて、その後の付け足しアドヴァイス

をないがしろにしてしまいました。

 

自分が教える立場になったときに、生徒さんを褒めた後で、無意識に付け足しアドヴァイスをしていたのですが

(mustというよりは、まぁ~もし時間があったら、といった雰囲気で)、

上達の早い方は

「一応やってみました」と実行されていたんですね。

一回一回はほんのちょっとの違いなのですが、この実行の積み重ねが後々大きな違いを

生み出していました。

これを図らずも生徒さんから教わった形になりました(^^;。

 

誰でも、短期間で上達することを望むと思います。

そのためには、もちろん練習量の違いが決め手にもなりますが、

やはり要になるのは意識の持ち方です。

今回は、短期間で上達する人たちに共通する、

その意識について書いてみました!