その名もフィドルフレンズ!
この肩当はフリーサイズなので、1/16~4/4のフルサイズの楽器まで使えます。
でも、一番のお勧めポイントはそこではありません。
まず楽器を演奏するに当たって、音を良く響かせるには、
楽器を押さえつける肩当てがない状態の方がいいわけです。
これは歴代の巨匠バイオリニストたちが主張していることです。
現に、わたしの師匠のルジェーロ・リッチは、肩当てを使っていませんでした。
また、メニューインもその著書の中で、肩当てを使うと、肩の動きが制限されてしまうので、使わないことを勧めています。
でも、西洋人のように肩幅やその盛り上がりが少ない体格である、わたしたち日本人にとっては、滑り止めにもなる肩当を全く使わないで楽器を支えるのは、かなり困難になる場合が多いと思います。
そこでお勧めしたいのが、このフィドルフレンズです。
まず、ゴムで押さえつけるタイプではないので、楽器の響きが違います。
そして装着しても、楽器のオリジナルの形状に近くなるので、肩の動きが制限されません。
また、初心者が構え方を習う時に、肩の形状に沿うような、曲線型の肩当を使うと
楽器を楽に支えることはできるのですが、本当の意味での楽器の体へのフィット感を得ることなく、
肩当を頼って楽器を支えてしまうことになります。
これは、体と一体になって楽器を響かせるには、遠回りになってしまうのです。
曲線型の肩当が悪いとか、使ってはいけないということではなく、
まずフィット感を体得し、楽器の振動を肩でも直接感じることが大切なのではないかと思うのです。
わたし自身は、リッチ先生に曲線型の肩当を使わないで練習することを指示されたときに、
最初とても苦労しましたが、それによって楽器の支え方を根本から見直すことができたので、
音質を格段に変えることができました。
わたしの生徒さんには、自分自身の経験から、このフィドルフレンズを使用することを勧めています。